【第10回目】保育園?幼稚園?赤ちゃんの進路について


こんにちは!ママガク学長、新井です。
11月1日は都内の幼稚園は願書提出&試験日でした。

私は3人の子どもがおりますが、長女・次女は1歳半から幼稚園併設の認可外保育園(プレスクール)に通った後にその幼稚園(延長・早朝保育付き・カリキュラム豊富な高倍率な園)に通いました。

息子は生後10ヶ月から無認可保育園、1歳半から長女次女と同じプレスクール、2歳からモンテッソーリ教育をベースにのびのびした保育を行う自然環境豊かな認可保育園に通いまいた。

保育園と幼稚園を両方経験してきて思ったことと、これからの時代に合う幼稚園・保育園教育について、今日はお伝えできたらと思います。

そもそも保育園・幼稚園とは?

保育園には大きく分けると「認可保育園」と「認可外・無認可保育園」があります。「認可保育園」は就労証明書がないと入れません。「認可外・無認可保育園」は基本誰でも入れることができます。

幼稚園は4歳になる年の子が入園できます。公立幼稚園、私立幼稚園があります。幼稚園によっては、延長保育があったり、各園ごとに特色のある教育を行っております。

スポーツ系や英語教育を4年通える幼稚園、というのもありますが、正確には「幼稚園類似施設」や「認可外保育園」になります。

良い保育園・幼稚園とはどういう園?

保育園は0歳から、幼稚園は4歳になる年から就学前(6歳)まで通います。この時期に子どもたちはグーンと発育・発達します。

保育園・幼稚園共に、ママ達に人気のある園は「カリキュラムが豊富な園」でしょうか。英語・音楽・体操・知育(ひらがな・計算)自然体験・・・たくさんのことを教育してくれる園が魅力的に映りますよね。

しかし私はそういった園=良い園、だとは思いません。

第8回目:3歳までの脳の発達で大切なことは「萎縮させずに成長させること」】でも書きましたが、幼児期から「たくさんの習い事をさせる」ことで子どもを心身ともに疲弊させてしまうこともあります。

実際、私の長女と次女の通った幼稚園は、正課クラス(9時から14時)の間は朝の立腰から始まり、音楽発表会の練習・知育時間(数と計算)・音読(ひらがな練習)・給食を食べてやっと30分ほどの自由遊び時間、その後18時半までの延長保育中に、スイミング・知育時間(漢字教育)・絵画クラスに通わせていた結果、まさに心身ともに疲労させてしまった、という経験を実際にしてきました。(保育園と違ってお昼寝タイムもなしでずっとカリキュラムを行う園、今なら絶対その園は選ばないけど、当時はママガクをはじめておらず、教育の選択肢を完全に誤ってしまったことを後悔してもしきれません)

こういったカリキュラム豊富な園は、保護者の目からは魅力的に映ります。ホームページも素敵だし、園長先生の話も上手で「ここに通えば、可能性がぐんぐん伸びる子」になるのではないかと期待をさせてくれます。

息子は1歳半から、長女と次女が通ったプレスクールに入園させるのですが、彼は元気いっぱいな男の子なので、30分も椅子に座ることができませんでした。(そのプレスクールはフラッシュカードやドッツカードを毎朝1時間行っていたので、立ち上がると無理やり座らされてました)そしてプレスクールの先生から「落ち着きがなくて困ってます」言われた時、ハッと気付きました。

1歳半で、1時間も座っていることが、そんなに大切?
好奇心赴くままに身体動かして動き回ることの方が、大切なのではないの?

そこで私はもっと息子に合う園はないかと、一生懸命探しました。
当時は既にママガクを始めて就労証明書もあったので、ともかく子どもの自主性を大切にしてくれて、のびのびした保育園を見つけて無事入園することができました。

入園前に保育園見学に行った時、息子がすぐさま園庭に出てたくさん遊ぶ様子を見た時、保育園の園長先生が「おー元気がいい子ですね!」と言ってくれた一言に、「そうだよね、椅子に座ることよりも、こんなに元気いっぱい遊ぶことの方がこの時期には必要だよね」と、なんだかホッとしたことを覚えてます。

自然環境豊かな園で、暖炉があったり、畑で農業遊びしたり、ともかくのびのび子どもが楽しいことをさせてくれる園に通う息子を見て、長女がポツリと

「楽しそうでいいな。私なんて、泣きながら「か行」を書いていたことしか幼稚園の記憶はない」

と言った時のことは一生忘れません。
だって「か行」なんて小学校に上がれば、必ず書けるようになります。

3歳の子が漢字を読めたり、ひらがなを全部書けたり、足し算引き算ができると、親はうちの子はすごい!と思ってしまいます。

でも漢字も、ひらがなも、足し算も引き算も、
小学校入ってから始めても、みんなできるようになります。

「3歳の天才児」を育てても意味がありません。
しかも生き生きとした幼児期は取り戻せません。我が子を心身ともに疲弊させてしまっては後悔しか残らないのです。

だから、私がママ達に保育園・幼稚園のことを聞かれた際には、子どもがのびのび自由に遊べる時間がたくさんあり、カリキュラムは少なく、少人数保育で丁寧に子どもの個性を見て、受け入れて、伸ばしてくれる、幼児期の発育発達に合った保育園や幼稚園をおすすめしています。

何かができるようになる、スキルがたくさん身に付く、そういった「目先の結果」ではなく、これからどんどん伸びていく「幼児期に必要な教育や保育をしてくれる園」をぜひ探してあげてくださいね。

小学校に上がってから保育園・幼稚園の子は違いがある?

特にお仕事をしているママから「保育園にするか、幼稚園にするか、悩みます」という相談を受けます。

「保育園育ちだと、小学校に入ったら椅子に座ってられないと聞いて」
「幼稚園育ちの子の方が賢い、という話を聞いたので」

保育園育ちで、1歳半の頃は椅子に座っていられなかった息子は、小学校に入学してからはちゃんと1時間授業を座ってられました。椅子に座ってられない子=保育園育ち、ではありません。座ってられない子はそういった特性を持っていたのかもしれません。

ママガク家庭教育クラスには、今までたくさんの小学校の先生達も育休中に通ってくれていましたので、毎回私は「保育園・幼稚園出身の子の違いはありますか?」と聞いていました。

するとみんな口を揃えて言います。
「全く違いはありません。全然心配する必要はないですよ」と。

「確かに、保育園育ちの子は一学期は落ち着いて椅子に座ってられない子もいますが、一学期はそもそも授業も始まっていないし(学校に慣れてもらうためのレクリエーションが多い)夏休みが終わって二学期になれば、みんな座れるようになります」

それと学力の差ですが、中学校受験の専門家が
「幼児期に数や計算、文字などを早期教育していた子は、確かに小学1・2年生までは成績がいいですが、そこからだんだん授業に応用問題などが出てくる高学年になるにつれて、深く考える力が身についてないから苦戦する子が多い。逆に幼児期にのびのび遊びをたくさんしていた子は、遊びの中で考える力が身についているから、高学年になって急激に伸びる子もいます」というコメントを読んだ時に、

まさに早期教育をしていた長女は、小学3年生から勉強が苦手になり(ちなみに次女は元々勉強が好きななので影響はなかったのですが)のびのび遊んできた息子は勉強が苦手でもなく、ちゃんと理解できているのも目の当たりにして、早期教育の意味を改めて深く考えさせられることになりました。

「早期教育効果は小学校低学年で消滅する」という論文も出ており、普段ママたちの目に入ってくる早期教育、魅力的な幼稚園や保育園の教育理念が我が子に本当に必要なことなのか、改めて考えてみてくださいね。

これからの時代を生き抜く子どもに必要な教育とは

ここ最近「VUCA時代」というキーワードが注目されています。

VUCAとは、社会やビジネスにおいて将来の予測が困難になっている状態を示す造語です。予測が困難な要因として4つの時代の特性をあげ、頭文字を取って作られました。

V:Volatility(変動性)
U:Uncertainty(不確実性)
C:Complexity(複雑性)
A:Ambiguity(曖昧性)

コロナの影響で、1年前は当たり前だったことが「当たり前ではなくなり」ました。
外出時のマスク、旅行の制限、児童館は予約制になり、子どもたちがのびのびと関れる場が減る、なんて誰も予測できませんでした。

そういう時代に私たちは、
未来へと育つ子ども達を、
育てていくことになったのです。

これからの時代を生き抜くために、幼児期から「深く考える力=思考力」は必要となるでしょう。

以前、国際政治学者の三浦瑠麗さんが雑誌VERYの中で

子どもに必要なのは、無駄な時間。
妄想を養う時間が、創造力や考える力を育ててくれます。
受験に勝つために知識を詰め込まれ、それを条件反射的にアウトプットするような教育をされた子どもに、論理構成能力は育たない。」と書いてました。

カリキュラムをたくさん実施してくれる園は、無駄な時間がありません。
次から次へと、子どもは無意識に目の前のカリキュラムをこなすのに忙しくなる=ちゃんと教育してくれている、と思うのは、時代に合わない「昭和の古い教育価値観」であることも、ぜひママには知ってもらえたらと思います。

次は【第11回目】習い事どうする?令和の「お習い事事情」について

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