【第12回】勉強はいつからさせるの?「脳と早期教育」について


こんにちは!ママガク学長の新井です。

もうすぐ12月。ここ最近は寒暖差が激しくて体調を崩した方も多かったのではないでしょうか。子育ては眠れないなどのストレス、抱っこなど体力が消耗することが多いので、ママ自身もゆっくり身体を休めて(休める時は無理せず休む、これが大切です)体調管理を気をつけましょう。

子ども達は待ちに待ったクリスマス!2歳ぐらいまでは特定のものが欲しい、よりもあれもこれも目に入るものすべてが欲しい、と「言いたい」時期です。「これ欲しい!あれも欲しい!」と子どもに言われたら「そうだね、欲しいね」と共感してあげてください。すべてを買う必要はありません。意思を言葉で表現したい時期なのです。

3歳以降になると、本当に欲しいものを伝えてきます。その時も、すべて買うのではなく、ママやパパが要求に対してコントロールしてあげてください。抱っこして欲しいなどの心の甘え要求はたくさん満たしてあげることが大切ですが、物質的な甘え要求はすべて満たす必要はありません。買わないことを伝えると子どもは全身で不満を訴える(寝っ転がる・大声で泣く・その場所から動かない)と思いますが、これは「葛藤保持力」が育っている証拠で、その後の発達段階で自制できるようになってきますので、少し見守ってあげましょう。(といってもママだってイライラしてくると思いますので、私は地団駄してる我が子を冷静に見守るために「スマホでイヤイヤ中の我が子撮影」をしていました(笑)少し冷静に見守ることができます。子育てにはママの心の体力も必要ですね。)

さて、今日のテーマは「勉強はいつからさせるの?「脳と早期教育」について」です。

このコロナ渦の中でまさに「先の見えない時代」へと突入してしまいました。昨日の朝日新聞には「受験者減で大学入試センター、来年度5億円赤字見込み」というニュースが出ており、私自身前々からこれからの時代は大学入学を目的に勉強する時代ではなくなる、と予測しておりましたが、まさにそういった時代がやってきます。

・何のために勉強をするのか
・この先に役に立つ学びとは何なのか

これについては次回から配信の
【第13回】絶対に必要?「令和の時代の中学受験について」
【第14回】先の見えない時代を生き抜くために必要な「親の子育て総合力」とは?
でお伝えしたいと思います。

今回は「脳と早期教育」を子どもの脳の発達過程と脳の可塑性についての観点からお伝えします。

参考文献:瀧靖之著「賢い子に育てる究極のコツ」林成之著「子どもの才能は3歳、7歳、10歳で決まる! 脳を鍛える10の方法」

子どもの脳の発達過程を知ろう!

まずは子どもの脳はどのような過程を経て発達していくかを分かりやすくお伝えします。

生後すぐからの脳は、視覚や聴覚、嗅覚、触覚といった五感の領域から発達していきます。

1:後頭葉→見る・聞く能力に関わる
2:側頭葉→言葉を理解する
3:頭頂葉→手触りなどの感覚と、運動機能を司る領域
4:前頭葉→思考や判断、コミュニケーションなど「高次認知機能」に関わる領域です。

この脳の発達過程により「領域ごとに発達のピークが異なるため、能力によって伸びやすい時期」が決められています。

「早くから勉強させた方がいいのではないか」
「できるだけ早く、できるだけ多くの習いごとをした方がいいのではないか」

そう考えているママも多いかもしれませんが、効率よく能力を伸ばしていくためには以下ような「能力が伸びやすい時期」を知っておくと良いです。

能力別:伸びやすい時期

生後すぐ

生後すぐに発達するのは五感の領域なので、この時期は親子の触れ合いが大切です。触れ合いを通じて愛着が形成されると、精神的に安定した子どもに育ちます。

1歳頃から

赤ちゃんは生後6ヶ月頃から言葉を話せなくても理解ができるようになります。日本語の文法も無意識に覚えていきます。普段の子育ての中での話しかけや、絵本を通じた読み聞かせをしてあげると良いですね。

3歳から5歳頃

運動脳の最も発達する時期。スポーツはもちろん、手先の器用さが身に付くので楽器に触れると音感が養われていきます。細かい音の聞き取りと言語の聞き取りは、脳の同じ領域(言語野)で行われるので、この時期に音楽に触れ合う経験をした子どもは、その後、英語のリスニングが得意になるという傾向もあります。

8歳から10歳頃

語学の能力が総合的に伸びます。外国語も効率よく習得できる時期なので、英会話を始めるならこの時期がおすすめです。現在、文科省は小学1年生から英語が必修科目となっているのも、こういった脳の発達に合っていると考えられます。

10歳以降

コミュニケーションを司る領域が発達。スポーツならチームプレー、音楽なら金管クラブや吹奏楽など、同世代だけではなく、大人や年下も含めて仲間と活動する機会を増やしましょう。

例えば皆さんの関心が強い「英語」を学ばせるために効率の良い教育方法を考えてみると、3歳頃から音楽に触れ合うことで音の違いなどのリスニング能力の土台を育み、日本語の土台がつくられてから8歳頃から英語を習う方法が良いと考えられますね。

メルマガを書いていて、ふと私の子育てを振り返ってみると「まさに!」と思うことがありました。我が家の現在中2の次女は英語が好きなのですが、幼児期からの英語教育は一切させておりませんでしたが、5歳から11歳までHIPHOPダンスを習っていて、9歳頃からダンスのレッスン中に流れていたアリアナ・グランデやジャスティン・ビーバーが好きになってから英語へ興味を持ち英語へ興味を持ち、YouTubeなどで独学で英語を勉強してました。これも今思えば「領域ごとの脳の発達のピーク」が偶然合っていたのかもしれません。

まずは脳の発達を知ることで、子ども自身が楽しくスキルを身につけられると良いですね。

脳の可塑性について

脳の可塑性(かそせい)とは、発達段階の神経系が環境に応じて最適の処理システムを作り上げるために、よく使われるニューロンの回路の処理効率を高め、使われない回路の効率を下げるという現象のことです。

生後すぐの赤ちゃんの脳内では、脳細胞同士がどんどんネットワークをつくり、情報伝達を行っています。その後、発達段階で起こる「脳の可塑性」について、分かりやすく「道路」に例えてみましょう。

1:とにかくたくさん道路をつくる(どんな環境でも生きていけるように)
2:実際に使ってみる
3:その結果、よく使う道路は高速道路のように太くし、あまり使わない道路は壊す
(維持するのにエネルギーが必要なので、取捨選択して効率よく使うようになる)

子どもは好奇心が旺盛で、たくさんのものに触って(舐めて)自分の中の「好き」を発見していきます。興味を持ったことに関する道は太くなり、興味がないものに関する道は減っていきます。どんどん道路がつくられている5歳くらいまでは「いろいろなことに触れさせること(五感への刺激)」が大切です。

我が子のために詰め込み教育や早期教育を行うことで「脳を活性化させれば優秀になる」という訳ではありません。子どもにとって興味のない対象の「道」は残念ながら残らないのです。

脳の可塑性問題行動改善の関係性

脳の可塑性にはもう一つ「脳の処理効率を高まる時期(脳が柔軟な時期)」があります。

子どもの健やかな発達に必要な協調性・社会性・自制心などの感情発達は、2歳から3歳頃に高まる時期なので、もしも問題行動が出ていたとしても、それは脳の処理効率が高まっている時期なので改善することができます。

実際、私が「こどもリベラルアーツクラス」を通じて実感していることですが、2・3歳でお友達を叩く、押し倒す、噛みつく、などの衝動的行動が出たとしても「問題行動を起こす根本的な原因」を発見し、子どもの問題行動を適切な指導によって正しい行動へと変えていくことは可能です。

しかし小学生以降からの問題行動を改善しようとすると、非常に難しくなります。問題行動が悪化(二次障害)する可能性もあります。

子どものストレス=問題行動

以前(第8回のメルマガ:3歳までの脳の発達で大切なことは「萎縮させずに成長させること」)で「教育虐待」について書きましたが、子どもの中には大人が気づけないストレスを抱えている子がいます。

子どものストレスの原因は2つです。
・ママやパパが自分のことを理解してくれてない(子どもが望むことができていない)
・子どものペースを考えないで行動している(過度な習い事など)

5歳頃までは子どもは自分の思っていることを親にしっかり伝えることができません。無意識に受け入れている状態です。(日々の「イヤイヤ」はその時の不快な気持ちを衝動的に出している行動なので、自分の考えをしっかりを考えた上で「イヤ」と言っているだけではありません)

「みんなと同じようにできるようにしなきゃ」
「小学校で困らないように、早めに勉強をさせておこう」

こういった親の焦りから、たくさんの習い事をさせることよりも大切なのは「子どもをよく観察して、今の心の状態を親が把握してあげた上で、興味を示したものを体験させる」です。

私が常々願うことは「頭の良い子を育てたい」よりも「感情や心の機能を健やかな発達させる」ことにママたちが大切に思ってくれることです。

ぜひ我が子に最良の子育てをしたいと願うのであれば、今までのコラムを読み返して学んでみてください。

次は【第13回目】絶対に必要?「令和の時代の中学受験について」

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